8月7日(日曜日)
いよいよ決勝当日です。昨日のタイムドセッションの結果が中々良かったので、少し気持ちは楽になっていますが、今日だけ走る速い選手も何人か居て、プレッシャーはソコソコにかかっています。
朝の試走の時に、問題のジャンプを飛べている選手が、館兄の前でジャンプして見せてくれ、少しだけスピード感が掴めました。
なんとか最後の試走の時間を確保し、覚悟を決めてそのジャンプを飛び出しました。空中で体が硬くなってしまい、ヘルメットのカメラの映像は震えているのが映りこんでいましたが、フロントフォークの性能にも助けられ、なんとか飛ぶ事に成功しました。
コレで、決勝に向けて心残りは無くなりましたが、タイムドセッションの遅かった人から出走する決勝では、昨日のタイムドセッションを走っていないので、何人かの速い選手が先にスタートするのが気になります。
「彼らのタイムは気にせず、自分のベストを尽くそう」
と、決めて決勝のスタート地点に向かいます。今回のスタート地点には、場内の放送はほとんど聞こえず、少しだけ不安な時間を過ごします。
と、たまたまその速い選手の奥さんがスタート地点に到着し、速い選手がいいタイムではなかった、、と話しているのが聞こえ、不安な気持ちはほぼ無くなりました。
スタート台に上がると、スタートのスタッフさんが、
「ぶっちぎりですね」
と、話しかけてくださいます。スタートまで1分ほど時間がありますから、ちょっと話をして、そしてスタートの時計に意識を集中します。
5秒前で両足の裏にペダルを感じながらスタンディングし、ペダルを踏みおろしました。
前半はそつなくこなし、急斜面のロックセクションに進入。
やはりレースはスピードが上がります。少し弾かれて、その後のターンがはらんでしまいます。
Photo by 中川 裕之
ちょっと焦りましたが、なんとかおさえて、ジャンプに向かいます。先ほどは前輪から着地して怖かったので、今回は前輪を浮かせ気味に飛ぼうと、モーションを入れました。ところが、今度は前輪が上がりすぎて飛距離が出ず、後輪を激しく斜面にぶつけてしまいました。
転倒は免れましたが、跳ね上がった後輪のせいで、その後のたこ焼きセクションを上手く曲がれず、その後の数コーナーを飛び出しそうになりました。
なんとかコントロールを取り戻し、レストラン下を抜け、ジャンプが続くバイカーセクションへ。
そのバイカーセクションを抜ける辺りで、想定外の後輪の滑りを感じました。
「パンクしてる⁉︎」
さっきのジャンプで激しくぶつけたときに、損傷してしまったようです。ここからは、バンクが無い、後輪のグリップ力に頼るコーナーが続きます。
「踏ん張ってくれ!」
背中の感覚を、後輪のグリップに集中させながら、コーナーに進入します。滑り出しは少し早いけど、まだなんとか路面を捉えてくれます。
「大丈夫、大丈夫、大丈夫」
自分に言い聞かせながら、コーナーを切り返します。
ゴールゲートが正面に見えてきて、ほぼコーナーは終わり。小さなジャンプを飛び越えてゴールに向かって加速しようとしたその瞬間、ジャンプの着地で後輪が音を立てて破裂。
ゴール前の緩い左カーブを、後輪のグリップを失ったバイクは、右に膨らんでいきます。このままだと、金属製のゴールゲートに突っ込んでしまいます。
バイクのバランスをワザと崩し、バイク全体を左に向けます。ライダーとバイクが一緒で無ければゴールとは認められません。ゴールラインを過ぎるまでは、バイクから落ちる訳にはいかないのです。
なんとか、おさえきってゴールラインを通過し、そのままスリップダウンしてしまいました。
中継しているMCアケさんが、パンクしたと気付く程の音を響かせてのゴールでしたが、タイムは
2分45秒837
なんとか2位に7秒強の差を付けて優勝する事が出来ました。
応援してくださる皆様、いつもありがとうございます。
協力(敬称略)
MARSH 有限会社マーシュ:自転車に関する全てのサポート
takebow-tune Bikeworks:サスペンションサポート
Yuris:フレーム及び部品サポート
重力技研 /gravitylab:技術サポート
drop8:ウエアサポート
BodyArchitect【ボディーアーキテクト】:フィジカルサポート
帰路、静岡のさわやかで、ささやかな祝勝会です。
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