全日本選手権レースレポート
30回を迎えるMTB全日本選手権。月曜日にCJ田沢湖から帰宅して、そのまま金曜日には全日本選手権の公式練習が始まります。
4日開けただけで、もうレースなんて、まるでプロみたいな生活です。
ただ、館兄は絶不調の真っ只中なので、少しでも変化したくて、匠君に言われた、
「館さんって、レース会場でタイヤ交換ばっかりしているイメージなんですよね」
に対応するために、昔のハブでホイールをもう1セット用意し、田沢湖の豪雨の後のベアリングのメンテナンスをして、会場の富士見パノラマに到着しました。
7月21日金曜日
目覚め自体はスッキリしていましたが、気分はモヤモヤしています。そうは言っても、公式練習の時間に向けて、準備を始めます。
1本目は一人でゴンドラに乗り、一人で走りました。落ち着いて走って見ましたが、バイクと一体になれないし、何より走っていて楽しくありません。
ピットに戻ると、匠君が待っていてくれました。
「とにかく、どんどん走って吹っ切りましょう」
というわけで、今度は匠君と走りました。どんどん離されて、ますます落ち込みます。
ピットに戻ると、匠君はバイクのチェックをし始めました。
「リアサスが動いていなくて、フォークのリバウンドが遅いですね」
と、いうことで確認してみると、リアユニットの設定がコンプ、リバウンド共に推奨値より強めの設定になっていました。
色々吹っ切ってしまいたいですから、ここは思い切って推奨値より1クリック開けた設定にしてもう一度ゴンドラに乗り込みます。一緒に乗った伊藤さんが、後から教えてくれたのは、
「館さん、今シーズンはダメかもって言ってましたよ」
ゴンドラの中でも、随分落ち込んでいたようです。
恐る恐るCコースを走り始めると、ちょっとバイクと一体になれる感じがします。
「特に遅いって感じじゃないですよ」
スタート地点で、伊藤さんにそう言って貰えて、ちょっとホッとします。
気負わないように意識してコースインします。
「あれ?」
バイクと一体感があります。リズムも悪くありません。ちょっと楽しくなってきました。
「おほ〜〜〜」
そんな感じでゴールまで走りきり、後ろを振り返ると、
「館さん、めっちゃ速い!」
って、伊藤さんに言われました。伊藤さんのヘルメットに付けたGoproの映像を見せてもらっても、確かにどんどん離れて行きます。
どうやら、速く走れているらしいです。
でも、今度はそれはそれで考えてしまいます。なんで、速く走れているんだろう。わからないのです。
「とりあえず、館さんが調子悪い時は、サスペンションが壊れているか、セッティングがめちゃくちゃになってるか、のどちらかって線が濃厚になりましたね」
って、匠君。周りにはすっかり分析されてるようです。
まあ、走れるようになったのを悩んでいても仕方がないので、どんどん練習します。
あの大きなキャニオンジャンプが使われていますが、今回も残念ながら見送ります。まだまだ、飛べる根拠を構築できていません。でも、今迄で一番飛べる気がしました。
Aダッシュの入り口が広くなっていて、真っ直ぐいけるラインが出来ています。何度か走ってみましたが、普段開いている方のラインに決めました。その先のロックセクションもなんとかラインが見つかって来ました。
そして、今日最後のタイムドセッションです。明日の予選と同じ、30秒間隔でスタートしてタイムを測定します。今の自分のある程度の順位が確認出来る走行です。
タイムは2分34秒546。23位。
なんと、30人までの予選通過の可能性がある結果です。
「館さん、辞めるかもって言ってたのに」
みんなにからかわれるくらい、気持ちが前向きになっていました。
明日の準備をして、みんなはビール、館兄はノンアルコールビールで乾杯。今日の事や、明日のラインやいろんなことを話しながら、富士見パノラマの駐車場の夜が更けて行きます。
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